銚子ジオパーク市民の会

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 勉強会:「高田川でチバニアンの地層を見学しよう!」が実施されました
 
 令和5(2023)年2月12日(日)10:00~11:30 高田川流域(銚子市余山町・三門町・岡野台町)
参加者:銚子ジオパーク市民の会員、余山貝塚美化の会他地元の方々  総勢約40名 

 解説案内人:銚子教育委員会社会教育課文化財・ジオパーク室
主任学芸員  岩本直哉氏

地層見学会が実施されるに至る経緯 
2018/12/19(水) ◇銚子ジオパーク市民の会見学会「田淵チバニアンと濃溝の滝」見学バスツアーを実施
 解説案内人 主任学芸員  岩本直哉氏  
 2019/ 8/23(金)
~26(月)
◇「日本第四期学会2019年大会 in 銚子」 千葉科学大学マリーナキャンパス(主会場)  
2019/ 8/26(月)  ◇日本第四期学会専門巡検「銚子周辺における第四紀の地形・地質・考古」が中里先生の案内で実施され、市民の会からも10数名の会員が参加し貴重な体験をしました。
◇この巡検に銚子市高田川流域の地層も含まれていました。  
2022/ 5/28(土) ◇講演会の実施   演題 「銚子地域のチバニアン、どこからどこまで?」 
 共催: 銚子ジオパーク推進協議会と銚子ジオパーク市民の会
 講師: 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 中里裕臣氏  
2022/6/23(木) ◇5/28日の中里先生講演の内容をより易しく解説して頂いた。(市民の会の要望で)
 解説者: 主任学芸員  岩本直哉氏
 
見学会経路図  赤→で示す
下は当日の配布史料と岩本氏の解説の聞き取りなどをまとめたものです。間違いなどご指摘下さい。(HP管理人)
 ① 集合場所:三島神社脇 ②いざ出発     ③余山貝塚:案内板前 
①集合場所:31名の方が受付を済ませました。市民の会川原さんの挨拶の後、主任学芸員 岩本直哉氏のお話がありました。
◇ ここの地層は大きく分けて2つです。上は固まっていない砂、下は少し固まった泥でチバニアンの地層を含むを含みます。
◇今日は地域のことを理解し貴重な地層を見守って欲しいと思います。②結構歩きます。交通ルール守って出発です。
③余山貝塚案内板前
◇固まっていない砂などのでき方は九十九里平野と同じです。7~6千年前頃、海水面が今より数メートル高かった時代、海が土地を削っていました。波崎の砂州はまだなく、屏風ケ浦は犬若岬辺りまであったと思われます。
◇最も海水面高かったころの地形が、今の余山周辺の地形を決めました。7~6千年前をピークに海水面が下がり、その時、海からもたらされた砂がここの砂地です。
◇3500年前頃、ここ余山に人がすみはじめました。そのころの海岸線(波崎の砂州)が延びてきて、余山は内湾地形になっていました。砂の高まり(浜提)が列を成しています。人は高まりに住みました。
 ④余山貝塚を出て ⑤ 高田川に沿って歩く ⑥露頭(岡野台の切通) 
④余山貝塚を出て⑤高田川沿いに歩き、総武線高架を潜り岡野台町の切通しに見られる露頭⑥に着きました。
⑥露頭(岡野台の切通)での説明。
◇少し固まった泥地層が出ています。チバニアンの地層です。チバニアンとは地質年代の名前で、77.4万年前~12.9万年前までの時代をいいます。
◇地球は大きな磁石です。今、方位磁針は北を指します。ですので、北はS極、南はN極です。このSとNが逆になることが何度もおこっています。
その最も最近の逆転層を時代の境界にしようと考えました。しかし、地磁気逆転層は簡単には見つけることができません。
◇市原市田淵の場合、地層の年代決定に重要な白尾火山灰層が地磁気逆転層の近くにあり、堆積層も厚く、微化石、花粉、研究、難しい審査を経て、市原市田淵が決定し、GSSPより認定されチバニアンと名づけられました。
◇高田川周辺の露頭には5つの火山灰層があといいます。
八甲田山火山灰層:76万年前カルデラ噴火しました。露頭には白いものが見えますが貝化石です。1000mの深い海で堆積しました。
④露頭  ⑤高田川露頭直行組と合流  ⑤案内板前で岩本氏の解説を聞く
④露頭:四期学会専門巡検( 2019/ 8/26)の際より、風化が進み見ずらくなっていました。(HP管理人感想)
⑤合流後改めて説明を受ける参加者。
◇概要
チバニアンとは地質年代の名前で、77.4万年前~12.9万年前までをいいます。
田淵周辺の堆積速度は極めて速い、白尾火山灰層、年代が特定されている、微化石、花粉、
GSSPにより77.4万年前、更新世前期と中期の地質年代区分の境界に指定、
◇正式な境界の決め方
田淵の場合
誰にでも分かる目印を境界にしよう。⇛白尾火山灰層(77.4万年前)は逆転層(77.3万年)の下1m。銚子には白尾火山灰層がない。
◇しかし、銚子市森戸町の台地でのボーリングで地磁気逆転層の上20㎝に火山灰層(Yk8a)発見。(Yk8aの下20cm が逆転層)
◇田淵での八甲田火山灰層は逆転層の57Ⅿ上、銚子:八甲田火山灰層は逆転層の11Ⅿ上
◇このことから、銚子での堆積速度は田淵の1/5と推定できる。
◇高田川でYk8aを確認できるので、その下20㎝が逆転層となり、田淵の1m下は、高田川の場合堆積速度が1/5なので20㎝となる
結論:Yk8aの下20cm が逆転層で、チバニアン基底相当の地層はYk8aの下、40㎝あたり。

 余話:前の事だが犬吠埼テラステラスのビジターセンターで勤務していた時のことである。地質年代が書かれた垂れ幕を見ていた60代?の男性が、「2億年前とか1憶2千万年前とか2000万年前とか書いてあるが、どうやって調べるのか」と訊かれたのである。私は「ここ犬吠埼ついては、アンモナイト化石の種類や砂粒の分析から1億2千万年前と聞いています」。「火山灰は物理・化学的性質を調べる事で同一の火山噴火によるものかが分かります」。「もし、同一の火山灰であれば、何処かで年代が特定されれば全ての同一噴火の火山灰の年代が特定ができます」。「また、放射性同位体が、放射性崩壊によって、半分が別の核種に変化するまでにかかる時間を半減期といって、その半減期はその放射性同位体によって決まった値を持っているので、これを利用して年代測定する方法などがあります」などをお話した。熱心に聞かれたので「何か関心を持つ出来事があったのですか?」とお聞きすると、「実は自分は市内森戸町の者だが、以前森戸町でのボーリング調査を見ていて、その際、何を調査しているのか」と訊ねたら、「地層の年代を調べている」と言われたので、「どうやって調べるのですか」と聞き返したところ、「我々が調べれば分かるのです」といわれ「気になっていた」という趣旨の話しをされた。丁度その時、専門員の岩本さんがビジターセンターに見えたので、「ちょっと待ってくださいね。専門家がみえたので」というと、「そこ迄いいよ」と云われ帰られてしまったことがあった。この度の見学会で森戸町のボウリング調査のことを知り、あの時のボーリング調査とは「この件の事」ではなかったかと密かに思っている。筆者(HP管理人)
 
⑤案内板  ⑤ 案内板の前の露頭 ⑤案内板から高田川上流を望む 
 
👆 案内板をクリックすると拡大表示
◇クリックで拡大表示します。
  Yk8a の位置を確認できます。
◇この画像に横根層Yk8aがあります。
 ⇐ 左の案内板をクリック
◇案内板近くから高田川上流を望む 。
高田川周辺は縄文時代から人が住み始めている。台地には中世の中島城(千葉氏(海上氏)がある。かつての高田川は水量も多く、水運も盛んであったという。等覚寺は1390年(明徳元年)海上公胤(中島城の城主)の開基である。観音菩薩・薬師如来・地蔵菩薩の三尊像を安置。1590年(天正4年)、徳川家康の家臣松平外記家の菩提寺となった。当寺には、境内から出土した「金銅経筒」がある(1252年(建長4年)海上胤方が埋めたものである)。掘内神社は古来堀内妙見社と云った。千葉氏は妙見を厚く信仰、一族が移住する時には妙見社も伴ったという。また、⑤の案内板近くに牛頭天王がある。牛頭天王は、京都の八坂神社の祭神である。かつては御神輿なども繰り出すにぎやかな所であったろうか。地名などにも名残が見られる(妄想してみるのも楽しい)。今でも祇園の際は牛頭天王に神輿がきて祭りが始まるという(15年前のHP管理人の聞き取り)
   
⑤案内板近く、河床のポットホール   逆川の取水付近(三門町) 逆川地蔵尊(銚子市高田町)
◇ポットホール:河底などの岩石面上にできる円形の穴のこと。
◇弱い部分があると侵食による窪みができ、その中に小石など入ると渦流により回転し円形の穴ができる。
◇高田川から分流し、手掘りのトンネルを通して農業用水(逆川)に流す。◇台地には中世の中島城があり、有事の際には田畑を水浸し、防御として使われたといわれる。◇トンネルから出る水は豊富である。20年前頃の5月管理人撮影  ◇地蔵尊入り口前を流れる逆川。この辺はほゞ高田川の終点で高田町、野尻町の水田を潤している。
 ◇逆川とは利根川の流れと逆方向に流れることから云われる。。
    
◇地層見学会「高田川でチバニアンの地層を見に行こう」の解説&案内人をしていただいた
銚子教育委員会社会教育課文化財・ジオパーク室の主任学芸員 岩本直哉氏の
「銚子ジオパーク市民の会ニュース」への寄稿文を読んで頂くと理解しやすいです。
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